川沿いの彼岸花を見かけるようになると、甘~いおはぎが頭に浮かぶのは私だけじゃないはずです♪
私の住んでいる地域では、「おはぎ」の方がメジャーで、「ぼたもち」と「おはぎ」の使い分けがあるって事すら知りませんでした・・^^; ちなみに食べ物自体は同じですよね〜
今まで気にも留めなかった事が、どうも最近やたらと気になるお年頃でして(笑)甘党の私にとっては、これは知っとくべき!!という脳からの指令に素直に従い、『夏と冬の呼び名』について早速調べてみましたよ~
- 夏と冬の呼び名を分かりやすく!
- 意外過ぎる由来って何なの!?
- あんこの状態も関係してるって本当?
- 地域でも違う理由って?
などもまとめているので、季節を味わう日本の粋な風習を一緒に学んでいきましょ♡
ぼたもちは春、秋はおはぎだけど、夏と冬は?
そもそも、 私は「全く同じ食べ物なのに季節によって呼び名が違う」という事すら知らなかったんですね(笑)という事は他にも知らない人も結構いるはず・・^^;
そこでまず、「なぜお彼岸に『あずき』を使ったおはぎや、ぼたもちを頂くようになったのか?」と気になって調べてみました。
何とも日本らしい文化を知らないのは、ちょっと恥ずかしい気もしますからね・・^^;
ぼたもち&おはぎの由来!
まず代表的な両者ですが、実は江戸時代、お彼岸や四十九日の厄明けに頂く風習が定着していったそうなんです。そして、あずきの赤い色は災難から身を守るとされており、おまじないとして重宝されていたとか。
また、農作業の始まる春のお彼岸、収穫の時期の秋のお彼岸に、山の神様へ感謝の意味を込めておはぎ、またはぼたもちを作ってお供えしたと言われているんですねぇ。
夏と冬は何て呼ぶ!?
そこで、ますます気になるのが、「夏と冬はどう呼べばイイの?」となりますよね?
なんとびっくり粋な名前が出てきましたよ!それがコチラ。
- 夏のおはぎ ⇒ 『夜船』
- 冬のおはぎ ⇒ 『北窓』
と呼ぶらしいんです!初耳の方も多いと思います(笑)
そして何だか粋なネーミングですが、「何でこんなユニークな呼び方になったんだろう?」と疑問になりますよね!
それぞれ詳しく見て行きましょう!
夜船と呼ばれる理由って?
まず夏の「夜船」の由来は、餅つきをせずもち米をすりこぎで、混ぜながら作るという事から来ているようです。
まだちょっと分かりませんよね?(笑)具体的には、このような流れが!
- 「ぺったんぺったん」という、餅つきの音が聞こえない
- 「いつ着いたのか?」が分からない
- 着き知らず
- 夜の船
↓ ↓ ↓
↓ ↓ ↓
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という理由で『夜船』と呼ばれ始めたんだとか。
なんとも、昔の人がした言葉遊びは素敵ですね〜♪由来を詳しく掘って行かないと、分からないのはなかなかです!
暑いというイメージが強い夏とは全く関係ない辺りが、個人的に面白いなと(笑)
北窓の由来!
次に北窓ですが、コチラは先ほどの『夜船』の「着き知らず」という部分から、更に言葉あそびが連なって、
- 着き知らず
- 月知らず
- 月の見えない冬の窓
- 北窓
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↓ ↓ ↓
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となったんですって~!
なんだか、小粋な短編小説のような流れですよね〜とても風情があって、興味深い話です!
コチラも、『寒い』という冬の一番の特徴が関わっていないのが、逆に清々しいですね・・^^;
簡単手作りおはぎの動画!
いろいろ知っていくうちに、作ってみたくなって動画を探してみたら意外と簡単に出来そうなのを発見!
このレシピシリーズのワンコがいつもツボでして・・(笑)今回もお行儀よくアシストしてますよ~
どうですか?思ったより簡単そうですよね?少し訛りの効いた英語もツボりませんか?(^O^)
それぞれ呼び方が違う理由は?
今も古い農家さんでは、季節ごとに各家庭で作るらしいのですが、普通に考えると「なかなか大変・・」ですよね〜私なんか普通にスーパーで買っちゃいますし(笑)
そして、『おはぎ』や『ぼたもち』など色々と呼び名があるのも、やっぱり意味があるようです。
結論から言いますと、四季ごとの植物などに見立てているという点。
牡丹餅(ぼたもちと)とお萩(おはぎ)の由来!
- 春彼岸のシーズンに咲いている牡丹を見立てる ⇒ 牡丹餅
- 秋のお彼岸シーズンに萩の花が色付く ⇒ お萩
どちらも、それぞれの季節を存分に楽しむという日本の風情が表れていますよね。
こういう感覚的なセンスは、日本人らしさとも言えるので、大切にして行きたいトコです!
あんの粒の大きさも関係ある!?
ところで、「こしあんか?粒あんか?」で呼び名が違うと思っていた人も多いのでは?実は、あずきの収穫時期と関係があるようなんですよね!
秋のお彼岸は小豆の収穫時期になる為、皮もやわらかく一緒にすり潰す事によって、ほどよく粒が残るので粒あんが最適とされています。
一方で春のお彼岸は、一般的に冬を越している小豆を使用するので皮が固くなっており、食感が悪くなる事から、皮をむいたあずきを使ったこしあんが最適とされたと言われています。
なるほどですよね〜皮が固いとせっかくのおはぎも台無しと言えますモンね・・^^;
地方によっても呼び方が違う!?
一般的には今回紹介したように、春夏秋冬で呼び方が変わっているのですが、地域によっては更にそこからの呼び方も違うというケースもあるんですね。
具体的には、
- おはぎ ⇒ つぶあん
- ぼたもち ⇒ こしあん
という感じで、あんこの状態で呼んでいるのは面白いです^^
コレには先ほど紹介したように、おはぎに使用するもち米やあんこなども、微妙に異なっているという理由もありそう!
しかし現代では1年を通して『つぶあん』も『こしあん』も同じように作る事が可能になったので、それに伴い区別もなくなってきているとか!それはそれで、ちょっと寂しいかも・・・(笑)
まとめ
- 「おはぎ」と「ぼたもち」季節によって名前の使い分けがある
- 夏には「夜船」、冬には「北窓」と、もはやお餅とかけ離れた素敵なネーミングの由来がまた素敵!
- 季節のお花、春は牡丹、秋は萩の花から名付けられている
- 季節の他にも、あずきの収穫時期によって、こしあんだったり、粒あんだったりすごく納得する理由も!
知れば知るほど深いですよね~。小豆の収穫時期なんて考えた事も無かったので、これまでよりずっと味わい深く楽しめそうな予感です♡
今年はひと口サイズのおはぎを、娘と一緒に作ってみたいと思いまーす(^^)v 今回分かったような由来も教えちゃおうかな〜と企み中(笑)

【友達に言いたくなる雑学ネタ】
※お彼岸のお布施は郵送でもOK!?注意点って何??
※新入社員の悩み!仕事ができない時の5つのアドバイス!←人気記事
私は江戸時代の庶民文化を専門に研究しています。季節により呼称を使い分けたということですが、実際には江戸時代にそのような文献は何一つありません。江戸時代の各種事典、歳時記、川柳など、片っ端から読破していますが、そのような使い分けは皆無なのです。例えば、川柳には数多くの牡丹餅が登場しますが、季節を問わず全て「牡丹餅」であって、他の例は見当たりません。万一私が見落としていることもあるかもしれませんが、季節による使い分けは、全くありません。そもそも牡丹の花が咲くのは新暦5月のことですから、3月のお彼岸には咲いていません。誰かが最初に書いたことを、後を追う人たちが、原典・史料を読まずに安易に書き写しているだけなのです。まずは、「うたことば歳時記 牡丹餅とお萩(流布説の誤り)改訂版」を検索して御覧下さい。きっと納得して頂けるものと思います。
四季によって呼称が異なっていたとのことですが、それは『和訓栞』という江戸時代の国語辞典に載っています。それによれば、ある公家が戯れに言葉遊びとして言っただけのことで、一般に共有されていたわけではありません。また季節による牡丹餅とお萩の使い分けすら、江戸時代にはありませんでした。またお萩という呼称は、公家衆の女性が使った女房詞であって、江戸時代の庶民は決して使わなかったのです。ブログ「うたことば歳時記 牡丹餅とお萩(流布説の誤り)改訂版」を検索してみて下さい。詳しい考証が載せられています。
季節によって呼称を使い分けたとのことですが、江戸時代にはそんなことはありませんよ。そもそも食物事典に出鱈目が書かれていることが悪いのですが、みな原史料を読まずに、出鱈目な説に欺されているだけです。まずはブログ「うたことば歳時記 牡丹餅とお萩(流布説の誤り)」を検索して持て下さい。確かな文献史料によって、流布説がいかに出鱈目かを克明に検証してあります。